日本の広範囲を襲った集中豪雨。河川の氾濫や洪水、土砂災害により甚大な被害をもたらしました。
今後、こういった豪雨災害による被害を軽減するために、効率よく浸水対策を行なえる雨水幹線の整備が必要とされています。
私共工事施工側の役割は、より安全に、より確実に、より迅速に、より安価に、工事を行なう手段を見出さなければなりません。 推進工事の難しさは、地下の見えないところには、たくさんのトラブル要因があります。地盤の変化、推進管や支圧壁の破損、掘進機ビットの破損、障害物への遭遇、異常出水、等々。 スーパーマルチモール掘進機は、長年の推進工事で経験したこういったリスクを、どうすれば解決できるかを考え、どれだけ難しい 施工条件にも、救出立坑を掘らずに、地上に影響を与えずに、必ず安全に到達できるよう開発した、大口径掘進機です。
多連モーターと外周駆動装置により、強大な破砕能力を発揮します。軟岩には切削ビット、硬岩にはローラービットを装着します。玉石や転石 も細かく粉砕するので、掘進機が振られてしまうことなく精度良く推進することが出来ます。
立坑掘削時
破砕された岩盤
掘進機全体の機長を長くし、重量のある機械部品を後部に配置するなどで、軽量化、重心を掘進機のセンター近くに持ってくることで、軟弱自 沈層でのノーズダウンを防ぎます。
切羽の安定は、面板加圧と泥水加圧の2方式併用となり、土圧抵抗を確認しながら推進できるので、取り込み過多による崩壊、地盤沈下を起こ しません。
軟弱層の下部より岩盤層が出てきた、大きな転石に遭遇したなどして、急激にカッタートルクが上がり、修正が取れなくなることがあります。 掘進機内部より、薬液注入ロッドを伸ばし地盤改良することで、上部軟弱層の崩壊を防ぎ、精度を保ちながら推進することが出来ます。
硬い岩盤を長距離推進すれば、ビットが摩耗します。機内からのビット交換を行う際には、切羽からの湧水を防ぐため圧気装置を使用します。 ビット交換は、岩質の変化により切削ビットとローラービットを交換出来ます。
推進中突然、障害物に遭遇することは多々あります。木杭やPC杭、流木、基礎構造物、H型鋼、鉄板、鋼矢板、等々。障害物の材質、管渠との位置 関係を目視で確認し、測量や画像で記録できます。開口率の低い面板構造の中であるため、より安全に作業ができます。
掘進機本体には第1、第2、第3修正装置があり、第3修正装置は掘進機面盤に掛かる土圧を感知します。土圧反力を適切にとることで方向修 正が正確になり、きれいな曲線推進が可能になります。また、急曲線の推進では後方にカーブ筒を接続し、目地の開きを均等に保ちます。
大口径推進では、特に緩み土圧の発生が起こります。掘進後の沈下を抑えるために、管と地山との隙間(テールボイド)を最小限度にしました。 また、掘進機通過後に、こんにゃく状の可塑剤を一次裏込材として注入し、テールボイドを保持します。摩擦抵抗が効果的に抑えられ、推進力が 低く長距離の推進が可能です。また、逸水する無水層での推進が可能です。
エレクターを装着したシールド胴を掘進機後方に接続し、シールド工法としての施工が可能です。推進工事では難しくなる超長距離や、発進 間際の急曲線に適した施工ができます。また、シールド専用機では泥水式工法、泥土圧式工法の施工ができます。
工法分類 | 切羽の安定方法 | 掘進機損料 |
---|---|---|
推進工法 | 面板加圧、泥水加圧併用方式 | 推進工法に準拠 |
推進・シールド兼用工法 | 面板加圧、泥水加圧併用方式 | 推進工法に準拠 |
シールド工法 | 面板加圧、泥水加圧併用方式 | シールド工法に準拠 |
泥土加圧方式 |